
こんな疑問を解決します。
目次
【セリフを小声で練習するのは危険 結論】
まずは、この概念を捨ててください。小声で喋るということは、本当なら出せる大きな声を喉に力を入れることで制御することなのです。
これでは声帯に負担がかかって当然ですから……
このように、気づかない間に声帯を傷つけてしまうのです。
演技において小声での練習することは、声帯を傷つけるだけではなく良い結果を生み出してくれません。今日は理由と解決方法を紹介していきますので、じっくり読んでみてください。
【セリフを小声で練習するのは危険 理由と解決方法】
ここでは2つの理由と解決方法を紹介していきます。演技力にもつながることなので、日頃から小声で練習している方は、解決方法まで読んでください。
【理由①】小声は声帯にダメージが残る
一見するとダメージの少ないように感じる小声ですが、あなたが思っている以上に声帯への負担があることは、先ほども書いた通りです。
「声帯は筋肉」と言われていますが、正しくは違います。「声帯は"ひだ"」と呼ばれる粘膜の一部です。つまり、声帯だけを動かすことはできないのです。
声帯を動かすために働いている筋肉は主に下記の通りです。
輪状甲状筋(裏声)
という2つです。
地声を響かせるためには「閉鎖筋」という筋肉を使います。声帯がしっかり閉じるように誘導してくれる筋肉です。裏声を響かせるためには「輪状甲状筋」という筋肉を使います。
男性であれば、喉仏(のどぼとけ)の動きで違いを確認することができます。女性の場合は、首の前側を手で触りながら、地声と裏声を出していくと違う筋肉を使っていることが確認できるはずです。
小声で練習するときは大きな声が出ないように「閉鎖筋」を強く使ってしまいます。これによって筋肉ではない声帯を大きく傷つけてしまうのです。
傷ついた声帯を直すためには「安静にする」こと以外に方法がありません。役者にとって声をしばらく使えないなんて、怪我をして休むスポーツ選手と同じようなものです。
声帯を痛めることで、まともに演技ができなくなるのであれば、いくら練習をしても本末転倒です。小声で練習することのリスクをしっかりと覚えておきましょう。
【理由②】小声は正しい発声を乱してしまう
閉鎖筋を強く使うことを記憶してしまうと喉周りが固くなり、小さな声しか出なくなってしまいます。本当は大きな声が出せるはずだったのに、喉をキュッと閉めてしまうことで稽古場でも声帯を傷つけることになります。
その声の出し方を記憶してしまうと、しばらくは癖をとることに時間を使う必要が出てきます。野球選手でいうところの「フォームを崩す」という状態です。一度崩れたフォームで試合に出続けても、結果はついてきませんので小声での練習は絶対にやめましょうね。
【解決法①】 声を出しても良い環境で練習
大きな声を出せる環境に行くことは、言うまでもなく最善の解決法です。
しかし・・・

と思う人もいますよね。
では考えてみてください。あなたが小声での練習を続けた結果、声帯に結節(けっせつ)やポリープなどの傷を負うと、直すまでにどれだけの費用がかかるでしょうか?
費用だけではありませんね。お金よりもっと大切な時間までも失ってしまうのです。これが自分の目指していた作品だった場合、稽古に遅れをとるばかりか降板させられる恐れもあるのです。
後悔したくなければ、お金を惜しまずにスタジオやカラオケボックスなど、大きな声を出せる環境で練習しましょう。
【解決法②】 呼吸のみで練習する
これは、かなり特例で発声を身につけている人のみができる方法ではありますが、セリフを喋る前までの呼吸のみをひたすら繰り返す練習法です。
どうしてもテンションが上がってしまうと小声で喋りたくなりますが、これを堪えて練習できる人には効果のある方法です。
私が声帯を痛めたとき、医者に言われたのは「本を読むことも禁止です」という一言でした。私たちは自分自身が喋っていなくても、「文字を見ること」「会話を聞くこと」で声帯に負担がかかってしまうのです。
それだけ繊細な声帯を守るためには、自分の身体の仕組みを正しく理解しておく必要があるのです。
呼吸だけを練習していても、確実に声帯は消耗していきますが小声で練習するよりは何倍も負担が軽くなります。ぜひ試してみてください。
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【まとめ】
・ 小声で練習すると声帯は損傷する
・ 小声で練習すると発声フォームが乱れる
・ お金を惜しまずに練習環境を確保する
声帯に関しては、本当に傷を負ってからでは取り返しがつかなくなります。経験上ですが、完全回復するまでに最低1ヶ月はかかりますから・・・その期間、声を出さずに生活をすることは不可能なので辛い記憶しかありません。
お金を惜しんで声帯を傷つけるのか、お金を惜しまずに声帯を守るのか……役者として仕事をしていくためにはどちらが正しいのか? あなたならわかると思います。
自分の声帯は自分で守れるように意識しましょうね。
may the BOOK be with you.
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