
2020年2月27日更新!!
今日の1冊は……
『学校の「当たり前」をやめた』(時事通信社)
著者 工藤勇一
・ 学校教育に疑問を感じている
・ 教育の新しい姿を知りたい
・ 指導者に必要な力を知りたい
【著者プロフィール】
【『学校の「当たり前」をやめた』 結論】
学校で「常識」だと思われていることを考え直してみると、見直すべき問題がたくさんあることがわかります。
そもそも、なぜ学校に行くのでしょう? 「勉強をするため?」「集団行動を学ぶため?」「協調性を学ぶため?」答えは1つではありません。
著者の工藤さんは「宿題なし」「中間・期末試験を廃止」「クラス担任も廃止」という学校の常識を覆すような取り組みをされました。なぜそのようなことをしたのでしょう? その結果、生徒たちはどのような姿になるのか?
教育する立場の人は、何も「先生」と呼ばれる人だけではありませんよね。先輩から後輩へ指導することも「教育」に当てはまります。
つまり多くの人が、他人を指導する立場(先生)になる機会があります。この本は、学校教育だけでなく、人を指導する機会がある人には有益な本なのです。
【テストの目的を見失わない】
そもそも学力を「ある時点」で切り取って評価することに、意味があるでしょうか。たとえ中間考査が行われる5月下旬時点で解けなかったとしても、7月下旬までに完璧に習得していれば、通知表に「5」をつけてよいのです。学習に「早い」「遅い」は関係ありません。
テストを実施する目的は何でしょうか。「学力の定着を図る」ためのものでなくてはなりません。ここにも、「目的と手段」のねじれが見られます。『学校の「当たり前」をやめた』(時事通信社) 工藤勇一
あなたは学校のテストで勉強したことを、今でも覚えていますか? 私はほとんど覚えていません……勉強したことを覚えていなくて、今の日常に活かせていないのだとしたら、「学力の定着」はしていないことになります。
これでは、社会に出てから役に立つ勉強をしているのではなく、「テストで良い点をとるために勉強をしている」ということになってしまいます。
学力が向上するペースは人によって違います。誰もが50メートル走を6秒代で走れることがないように、学力にも差があって当然なのですが「ちゃんと勉強しなさい!!」「努力が足りない!!」と指導しても、全員が同じように勉強できるとは限りません。
工藤さんの勤める麹町中学校では「中間・期末テスト」の代わりに、違う形式のテストが行われているのです。
そのテスト内容とは? 誰もが納得する麹町中学校のテスト内容は……
ぜひあなたの目で『学校の「当たり前」をやめた。』を読んで確認してみましょう。
【「不登校」に苦しむ人へ】
今、不登校に苦しんでいる子どもたちや、その保護者の方々の中には、誰かを恨んでいる人がいるかもしれません。その多くは一方で、自分自身を強く責め続けてもいます。私はそうした人たちに「とにかくもう自分を責めないでほしい」「あなたは何も変わらなくていい」と伝えたいと思います。
『学校の「当たり前」をやめた』(時事通信社) 工藤勇一
工藤さんは、不登校になっている生徒に対して「学校に来なくたって大丈夫だよ」と声をかけるそうです。
実は私自身も中学生の頃に不登校を経験しています。その当時の担任の先生から同じ言葉をかけてもらいました。
この「学校に来なくたって大丈夫」という言葉は、私の心を一気に軽くしてくれたことを今でも覚えています。
「学校とは絶対に行かなくてはいけないもの」「学校に行くことが普通」なんてルールは存在しません。
私は不登校を経験しましたが、今では「良い体験だった」と言うことができますし、不登校だった期間があったからこそ、今の自分がいるのだと思っています。長い人生の中で学校に通う期間は一瞬だけです。
工藤さんの言うように、自分を責める必要はありません!! 不登校という体験ができるのは限られた人だけです。特別な体験をして人間として成長するための1つのステップなのです。
世間が作り出した「学校に行くことが普通」というルールに縛られて、辛い思いをしなくていいのです……
【書籍紹介】
評価 |
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読みやすさ |
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・ 学校教育に疑問を感じている
・ 教育の新しい姿を知りたい
・ 指導者に必要な力を知りたい
【まとめ】
・ テストの目的を見直そう
・ 不登校で自分を責めない
・ 『学校の「当たり前」をやめた。』を読もう!!
前回の『神メンタル』に引き続き、『学校の「当たり前」をやめた。』も、私が読んだ212冊の中でTOP3に入る本でした。
あなたの学校にも「よくわからない校則」や「学校独自のルール」などはありませんでしたか? 思い返してみると学校とは「ルール」に縛られた環境です。
しかし「そのルールがなぜできたのか?」「そのルールがなぜ必要なのか?」という疑問が生まれてきます。目的のないルールは排除していくべきです。
あなたが子どもに教育する立場の人間だとしたら……
この答えを、子どもたちが納得できるように答えてあげることができますか?
「今時の若いモノは……」なんて言っていて、社会が良くなったことなんて一度もありません。必要なことは、若いモノに文句を言うことではなく、大人が変わっていくことです。
教育する立場にある人は『学校の「当たり前」をやめた。』は必読の本だと、私は感じているのです。