
「今日から読書をしよう!!」と決心した人が最初にすることは「本を買うこと」または「本を借りること」でしょう。
しかし、これこそが「ブッブーーー❌」の不正解なのです……
「なぜ読書が苦手なのか?」もっと正確に言えば「なぜ読書が苦手になってしまったのか?」という根本的な原因がわからなければ解決することはできません。
例えば、腰を痛めて整体に通って一時的に良くなっても「痛くなった原因」がわからなければ、毎月、いや毎週のように整体に通うことになります。
「重たい物を持ち上げたから?」「歩き方が悪いから?」「座り方が悪いから?」人それぞれ原因は違います。原因がわかれば、そうならないように「気をつける」という気持ちが生まれます。
しかし、読書では原因がわからないまま……
「とりあえず本を買う」→「読む」→「飽きる」→「読まなくなる」→「読書が苦手だと思う」というループを繰り返します。
これでは、何度繰り返しても「読書が苦手」から脱出することはできません。
最初から断言すると……
誰でも読書好きになれます!!
そのためには最初から「本を手に取る」ではなく「原因を知る」ことが大切だということを忘れないでください。
【みんな読書が好きだった】
思い出してみましょう……まだ、あなたがオムツを履いていた頃です。
小さなあなたは、自分のお父さん、お母さん。もしくはおじいちゃん、おばあちゃんに絵本を読んでもらった記憶はありませんか? または保育園や幼稚園で先生が本を読んでくれたことでしょう。
そのときあなたは、お気に入りの本を何度も飽きずに「これ読んで!」「もう一回読んで!」などと言っていませんでしたか?
そう、昔は誰でも「読書が好き」だったのです。たとえ、「好き」までいかなくても「嫌い」という感情はなかったことでしょう。
小学生・中学生・高校生に「小学校に入る前、家の人に本を読んでもらったことがありますか?」という質問をしたところ、「よく読んでもらった」「ときどき読んでもらった」と答えている「読んでもらった記憶がある学生」は7〜8割に達しています。
このときの「読書」とは、もちろん絵本ですね。絵本だって子どもからしてみれば立派な読書です。
今では、「桃太郎を知らない」「かぐや姫って誰?」のレベルまで親が子どもに読み聞かせをしない家庭も増えてしまっているのですが……
まずは、あなたにも「読書が好き」だった過去があることは、しっかりと覚えておきましょう。
【読書嫌いのスタートラインは学校教育】
小さい頃は「読書が好き」だった人が多いのに「読書が嫌い」になる原因は、小学校の教育にあります。あなたも経験したことがあるでしょう。
「朝の読書運動」と「読書感想文」です。
思い出したくもない……と感じる方もいるでしょう。
この2つの共通点は「やらされている」ということです。
読書は楽しむものです。それを強制されてしまえば誰だって「つまらない」と感じてしまいます。
そして読書に関しては、先生が「読書で何が身につくのか?」を教えてくれないのです。
他の科目であれば……
漢字の練習 → 「漢字が書けるようになる」
計算の練習 → 「計算が速くなる」
読書の練習 → 「???」
そして、この「朝の読書運動」と「読書感想文」で学生時代に「どんな本を読んだのか?」ということをほとんどの人が覚えていないのです。
それもそのはずです。どちらも「やらされている」もので、しかも多くの人が苦手なことです。
「朝の読書運動」は、たかが10分15分の時間、眠い目を擦りながら今日の給食のことを考えていれば過ぎ去ります。
「読書感想文」では、適当に読んだ本の感想を書くために、文章から言葉を抜き出して「楽しかった」「ここが面白かった」と書いているだけなのですから……
この「朝の読書運動」と「読書感想文」の経験が、「読書が好き」を「読書が苦手」に変化させてしまうスタートラインと言っても過言ではありません。
【読書=勉強じゃない】
読書は確かに勉強になります。しかし読書においての勉強は学生の頃の勉強とは違います。
あなたが好きなことを学ぶ自由があるのです!!
「朝の読書運動」「読書感想文」を辛い思いをしながらやってきたことで、本を開くことさえ嫌になってしまった人もいるでしょう。これは無意識のうちに「読書は勉強だ」と植え付けられてしまったからです。
私は、マンガも絵本も立派な読書だと考えています。「マンガで人生が変わった」「マンガで勉強になった」という人もいるからです。
学生時代に「もっと文字の多い本を読め」「それは子ども用の本だろ?」なんて先生に言われた人もいるかもしれません。しかし、そんなルールは誰が決めたのでしょう? 「中学生以上は絵本を読んではいけない」なんて法律がありますか?
どんな本を読みたいのか? どんなことを学びたいのか? ということは、あなたにしかわからないのです。
たとえ先生であろうと、自分が読みたい本を邪魔する権利はありません。
マンガを読むときに「よし、読書感想文5枚書くために頑張って読むぞ!!」なんて考えませんよね? もっと気楽に楽しむために読んでいるはずです。
他の本も、気楽に読めばいいのです。マンガだってつまらなければ途中でポイッと投げ出しませんか? 週刊誌だって、つまらないところは飛ばしますよね?
「読書は勉強」と植え付けられてしまった頭では、「むずかしい本を読まないといけない」「文字が多い本を読もう」などと、ハードルをどんどん上げてしまいます。
「楽しく学ぶこと」は読書において、絶対のルールです。大人になってからも「辛いことを強制的に学ぶ」なんてやめましょう!!
【まとめ】
どの理由においても読書離れの原因は、確実に大人にあるでしょう。この「大人」には私も含まれます。
電車を利用する人は、周囲を見回してください。いったいどれだけの大人が読書をしているでしょうか?
最近では本を読んでいる人よりマートフォンやタブレット端末を見ている人の方が多い光景は当たり前になっています。
大人が本を読んでいないのに、子供が読むわけがありません。子どもは大人の真似をしたがります。もし、電車マートフォンやタブレット端末を見ている人よりも、本を読んでいる人が多かったら、子どもだけではなく大人でさえも「本を読んでみようかな……」と思うはずなのです。
ここで挙げた例以外でも、「読書が苦手」になってしまうきっかけがあることでしょう。あなたは、いつから「読書が苦手」になったのか? その原因がわかると読書への考え方が変わるでしょう。
苦手なことを頑張って克服しようとしても、壁にぶつかります。苦手なことへの「考え方」を変えることが克服する鍵なのです。これは、ダイエットが長続きしないことと一緒です。
あなたが「読書が苦手」になってしまったきっかけを知ることで、「なんだ、そんなことだったのか」「気楽に読んでみるか」と気持ちの変化が生まれます。ここまでいけば、「読書が好き」と言えるまでの近道を見つけたも同然です!!